講座をプロデュースする方法 〜3. 実現編

講座をプロデュースする方法 〜3. 実現編

自分の知りたいことを効果的に学ぶために「学びたい講座を自分でつくる」考え方とプロセスを、誰でもできるように詳しく説明します。

「司法試験合格を目指す大学生が、自分のための勉強会を成立させるにはどうすれば良いか」というケースに対して、シナリオ編では方向性を決める道筋を考え、企画編(前編後編)では、具体的な企画に落とし込む考え方を述べました。

最終回の今回は、具体化した企画を実際に成立させる、時系列のアクションプランの立て方についてお話しします。

「ファーストピンを見つける」

企画を成立させるには、相互利益構造を明確にするだけでなく、それを、どんな順番で、誰を、どう説得するか、その説得材料をどう形にしていくかの実行計画も必要です。

受験生を集めるには魅力的な講師が必要ですが、弁護士のOKをもらうには見所のある受講生を集める必要があり、どちらかが成り立たないと、もう一方も成り立たない状態を打破しなければなりません。

ボーリングで、倒すとストライクが取れる先頭のピンを「ファーストピン」と言いますが、まさしくそれを見出し、ピンを次々と倒していくのです。

何者でも無い大学生だからといって、誰に対して何も交渉材料がないという訳ではありません。

誰かの説得に成功すれば、連鎖的に他の関係者の説得材料ができる、といった「わらしべ長者」的な可能性を考えてみましょう。

例えば、講師を確定できていなくても、企画が具体的になっていれば「実現したら行くよ」という受験生を一定数集められるかもしれません。

そうして、自分が優秀と思う人を選りすぐって声をかけ、一定数の確約を集められれば、弁護士事務所に対する交渉材料になるでしょう。

そのように「何もない」ところからでも説得材料を作り出すことができるのです。

説得材料の種類

1)相互利益構造

持続可能性が最も高いのは、相互に利益がある構造です。

今回のケースで言えば、講師側は将来の採用候補者へのリーチが得られ、受講者側は学びを得られる、といった構造です。

2)未来を信じてもらう

過去にの実績はないが、提案が実現したらリターンがあると信じてもらう材料を提示することです。

・詳細かつ実現可能性の高い計画
・能力や実行力の高さを示す過去の実績
・本気がわかる行動の実績

など、「こいつなら出来そうだ」と思わせるものです。

難易度は高いですが、大義や解像度の高いビジョンもあり得ます。

ただし、約束した以上は、必ず実現しなければなりません。

未来を信じさせる行為は、信用の「前借り」であり、実現ができれば信用が蓄積されて次回以降の交渉材料となりますが、約束が実現できなければ信用を失います。

地道さも重要

泥臭いことは案外馬鹿にできません。Airbnb、Amazon、Facebookなど、世界的サービスの初期ユーザー獲得方法は、ブロガーへの個別コンタクト、口コミ、個人的な招待などの地道なことだったりします(下記リンク参照)。

どうしても実現したいという強い思いがあれば、あらゆる手段を考えつくはずです。

SNSで目ぼしい人に個別メッセージを送ることもできます。司法試験の予備校や模試会場の前でビラを配ることだって立派な施策です。

自分の使えるリソースがないか、打てる手は何か、思いつく限り洗い出し、効果や実現可能性の観点から、優先順位をつけて、実行してみましょう。

主要スタートアップサービスの初期ユーザー獲得方法 デザイン会社 ビートラックス: ブログ

それぞれのサービス内容や時代背景によって、そのユーザー獲得方法は異なるが、全てに共通しているのは、かなりユニークな方法を…

3)泣き落としやコネも”方便”

材料にはなりえるが、持続可能ではないものもいくつかあります。

・元上司・恩師などの力関係(正直面倒)
・同窓等の情緒関係(相手には無価値)
・若さや一生懸命さ(相手には無価値)
・当たって砕けろ(むしろ迷惑)
・過去の貸し借り(相殺されれば終了)

但し、これらを「合わせ技」として使うことでセンターピンを確実に倒せる場合など、いざという時の切り札と弁えましょう。

継続の観点を忘れない

実現しないと何もなりませんが、何でもいいから実現すればいいというものでもありません。

初回の講師がイマイチだったら、次は参加者が集まらないでしょうし、初回の受講生がイマイチなら講師も次は受けてくれないでしょう。

最低ラインは決めて、妥協しないようにしましょう。

二の矢・三の矢を備える

相手が難色を示しそうな点を予め想定し、その問題をクリアするオプションの提案を持っておくと、相手が受けてくれる可能性を高められます。

資料を作る工数が無いと言われそうなら、資料不要で全編質疑応答にするという手もあります。

受講者全員分の論文を見るまでの工数を避けないと言われそうなら、フィードバックする論文を2-3人分に絞り、公開メンタリング+質疑応答という構成にすれば、参加者価値を大きく変えず、講師負荷を減らせます。

「これはあくまで検討のたたき台としての仮案で、あなたの要望に応じて柔軟に検討可能です」と添えると、相手も単にYes/Noで答えるだけでなく「ここをこうしてくれれば検討に値する」と言いやすくなります。

労を取る人は、多くを得られる

企画者はより多くの学びを得られると言いましたが、それは当事者として深く記憶に残るだけではありません。

例えば、事前に質問を取りまとめておいて、その中に自分の聞きたいことを入れるという手もあるでしょう。

限られた人の論文しか見られないのであれば、自分の論文をレビュー対象に入れることもできます。

真剣な当事者としての問いは、他の参加者の学びになるので、参加者にとってもベネフィットがあることです。

自己犠牲や単なる役得のような片方だけが得をすることではなく、相互利益の可能性を見つけられれば、頑張って価値を上げるほど、自分にとって得るものも多くなります。

実現に向けて動けば、可能性が高まる

企画はあくまで「仮説」であり、実際に相手に提案して「検証」しなければ、正しいかどうかはわかりません。

考えることは大事ですが、考え過ぎは時間の無駄です。
何も考えず提案するのは相手に迷惑ですが、仮説をもって提案すれば一瞬で疑問が解消し、さらに多くのことが分かります。

仮説を立て、企画を具体化したら、優先順位に基づき、候補者に順次提案してみましょう。
仮に断られたとしても、真剣な提案なら何かしら理由を返してくれるかもしれません。
それは改善のためのヒントになります。

自分が想定していなかったことが、実は相手にとって価値があることがわかることもあります。

的さえ外していなければ、あとは確率の問題なので、提案の数を増やすのみです。

いい提案でもタイミングが悪くて断られることもあります。
しかし、正しく考え行動を継続すれば、必ず何かしらの結果は出ます。

動いている内に色々な人が助けてくれるかもしれません。
何より、本気でやろうと思っていなければ動けませんので、自分の本気度を試すことにもなるでしょう。

実現に向けて、めげずに行動し続けてみましょう。

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