ソニーの有志アルムナイ立ち上げの記録、今回は会社から協力を得た経緯です。
会社の協力を得る
仕事でつながりのあるソニー社員にアルムナイ立ち上げの考えを話したら、会社公式のOBOG会である「ソニー友の会」事務局担当の方々に繋いでくれましま。
事務局の方々と話してみると、同じ課題感を持っていることが分かったので、新しいアルムナイの立ち上げを目指し、継続的に議論をしようとなりました。
そうして、会社とアルムナイ双方にとって、持続的なベネフィットある形はどうあるべきかの議論を重ねました。
方向性については、人事のマネジメントにも報告し、共有もして頂けました。
他アルムナイ運営者にヒアリングを重ねる
方向が見えたら、どんな形にするかを具体化します。
双方納得するようにイメージをすり合わせるには、考え議論するだけでなく、既に実践している人の考えを聞いた方が良いと考え、個人のツテを使い、以下の方々に、事務局の方と一緒に、ヒアリングさせてもらいました。
1)外資系戦略コンサル
2)外資ITベンダー
3)外資消費財メーカー
4)起業家精神旺盛な日本企業
5)日系大手広告代理店
6)某大学
7)アルムナイSaaS社長
8)アルムナイを深掘りしているWebメディアの編集長
ヒアリングをすると、生の様子や課題がとてもよく分かります。思いがけない問題やTipsが分かることもありますし、懸念していたことが実際には起こらなさそうということもあります。
但し、全く同じことをしても、同じようにうまくいくとは限りません。前提が違うからです。
ヒアリング内容に、自身の知見も踏まえながら、今のソニーのアルムナイはどういう方向が良いのかを議論し、以下の方針を定めました。
1)現役対象の、実利ある場にする
企業のアルムナイは全て、ビジネスの実利を表立って標榜しているわけではありません。しかし、参加者も本音では様々な実利を期待しています。「結果として」取引や採用などにつながっているようです。
実際、アルムナイへの参加者が200人を超えた2月に、Facebookの機能でアンケートを取ったところ、やってほしいことのトップがビジネスマッチング、次がメンバー紹介&交流イベントで、その2つが頭ひとつ抜けていました。
営利行為は禁止すべき、という考えの人もいることは理解しておりますが、そんなに営業営業することはありません。
誰でも参加できるビジネス目的の交流会だと、営業色の強い人が混じりますが、一定のスクリーニングがかかっていて、身元もたどれるため抑止がはたらきます。実際、お行儀の悪いことをする人はあまりいないようですし、いてもすぐ検知されます。
元の業界が同じなら、近しい業界に移り、ニーズやノリも理解しているので、自然な形で仕事につながるようです。
私個人はこういう場で積極的に営業するタイプではないですが、懇親しか行く理由のない場が、暇人しか来なくなり、すぐに廃れるのを山程みてきたので、場をつくる立場として、きちんと実利を組み込むことが必要と判断しました。
2)会社公認の自主運営とする
意外にも、会社が直接運営しているのはコンサルティング会社だけでした。
コンサルタントが決裁権ある立場で事業会社などのクライアント側に転じ、そこから仕事が来ることが多いため、自社で運営する十分なインセンティブがあるからです。
他はそこまででもないため、自主運営のアルムナイを、会社が公認・支援する形をとっていました。米国では多くの経営幹部を輩出している外資系企業も、日本ではそこまでではないため、会社が運営するアルムナイ活動はありませんでした。
直営の不都合もあります。会社公式のOBOG会が参加資格を限定すると、枠から外れた人から「不公平だ」という不満が出るかもしれません。
公式にすると関係者が増えて自由度が下がり、意思決定も遅くなるでしょう。
私たちも、自由度とスピードを確保し、対象を現役に絞るため、自営・公認とすることにしました。
3)公平な場にする
会社時代の役職や年次・年齢のようなヒエラルキーがある場に、新しい人が入りたいとは思わないでしょう。
会社を離れれば、社会人としては皆対等なはずですが、会社が運営する社友会のような集まりは、そういったものが持ち込まれがちです。
この場はそうではなく、誰もが公平で、互いに尊重はするが、特別扱いはされないという考えを明確にしました。
4)当面は無償で運営する
自主運営でも、予算をもって運営しているアルムナイはいくつもありました。
外資系ITベンダーのアルムナイは、約200人から6,000円の年会費を取り、事務局の運営を特定の会社に委託していました。
日系企業のアルムナイでは、会社を経営しているメンバーに営業をかけて、合計1,000万円の広告費を「受注」し、制作の仕事をアルムナイの会社に発注していました。
正直、本格的な活動をするには、そうあるべきだと考えます。
とはいえ、まだ参加者にどれだけの価値が示せるか裏付けがない立ち上げ段階で、いきなりお金を取るのも難しいでしょう。
お金を頂けば、収支報告も必要ですが、工数は極力絞りたい思いもあります。
よって、当面は無償で運営することにしました。
次回は、受付を開始するまでのまでの準備についてです。
ご入会案内
よろしければぜひご参加ください。紹介も歓迎です!
参加資格
1)ソニーやグループ各社で働いていた方
2)現役で働いている方
注意:質問への回答がないと承認できませんのでお忘れなく